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苦情、クレームを生かす

読売新聞(2007/8/21)一筆経上より引用———-

 苦情という「宝の山」

 「あなたの苦情、買います」

 そんな意表をついたコピーを冠したホームページ「苦情・クレーム博覧会」(http://www.kujou906.com/)が、企業の開発担当者の間でひそかに人気を呼んでいるのだという。

 運営しているのは、福井商工会議所。消費者に日ごろ感じている苦情・クレームを投稿してもらい、それを新商品の開発やサービスの向上に役立てようというのが狙いだ。企業は1050円を支払って閲覧し、参考になった苦情があれば、計5票を投票する。苦情の投稿者は、1票=100円換算で投票数に応じた報酬を受け取る仕組みだ。

 5年目の今年も、8月から苦情・クレームの募集・公開が始まったが、過去4年間に全国から寄せられた苦情は約3万1000件に上り、それらをヒントにしたヒット商品も生まれた。

 福井洋傘(福井市)の高級傘「ヌレンザ」はその代表格だ。「込んだ電車に持ち込まれた傘で服や靴がぬれる」という苦情をもとに、はっ水性の高い高密度ポリエステル生地を使い、ひと振りすれば水滴がほぼ落ちる傘を開発した。橋本平吉代表は「お客の希望を満たしてこそ職人」と話す。1本3万円以上するが、発売から2年半たった今も注文に生産が追いつかない。

 新商品とまでいかなくても、商品の改良に役立ったケースは多く、苦情の解決策を示した製品一覧には、地元企業に混じってスズキ、味の素、テルモ、大日本印刷などの大企業が並ぶ。

 苦情・クレームと言うと、企業はとかく敬遠しがちだが、実は「宝の山」なのである。最近は、積極的な活用に向けて体制を整える企業も出て来た。

 資生堂は、お客さまセンターで苦情・クレームを受け付けるだけでなく、店頭の美容部員が毎日、顧客との会話をメールにまとめ、専用の携帯端末でお客さまセンターに送っている。

 センターは会話の内容を分析し、ある製品について、顧客が共通して間違いやすい使い方がみつかれば、その製品を売る時にそれを説明して苦情を未然防止するよう、携帯端末で美容部員に伝える。こういう言い方をすると、顧客の心に響いて製品を買ってもらえるとわかれば、その話法も伝える徹底ぶりだ。

 もちろん、苦情は担当部門にも伝えられる。椿(つばき)の花弁をかたどり、キャップが丸みを帯びていた「TSUBAKI(ツバキ)」のコンディショナーは、「中身が減ると、出しにくくなる」との声を受けてキャップの上部が平らにされ、容器を逆さに立てて置けるようになった。

 消費低迷が続き、魅力ある商品がなかなか生まれない。CS(顧客満足)経営が言われて久しいが、「宝の山」の苦情・クレームを本当に生かしているのか、改めて点検してみたい。(編集委員 安部 順一)

引用ここまで———-

 今日は記事ではなく論評から引用させていただきました。お客さんからのクレームや苦情からは学ぶことが多いとよく言われますが、実際にそのクレーム等を業務に生かすための仕組みを実践しているところは少ないのではないでしょうか。しかし、こういった例を見るとやはりお客さんからの苦情をその後の業務に生かすということが企業にとっていかに大事かということが分かります。クレーム、苦情というとちょっと腰が引けてしまうのが普通ですが、それを真摯に受け止め、その後に生かしていくことがどんな業種の企業においても大切なことだと思います。

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